資材価格の高騰やメーカーからの価格改定が続いているようですが、事務機器などの地元事業者から取引先へ納品価格改定の申し出をしても「それなら他と契約します」という話になり、価格改定は難しい状況にあることを聴かせてもらいました。
また入札に関しても「物価上昇分を予算に反映されていないことが多く、利益が薄くなっています」という状況だそうです。
販売価格を上げられないので利益か薄くなっていますし、最低賃金が上がったことから正社員の給与を抑えて人件費を抑えている現実もあるようです。「同じように働いているパートさんの給与は上げて欲しいと思いますが、その分、社員の給与も上げて欲しいと思うのですが、小さな会社なので上げられないようです」という話しです。
メーカーからの仕入れ価格の上昇分を販売価格に転換できないと、給与を上げることにつながりません。地方経済が低迷しているのは、依然として価格改定や価格転嫁が難しいことが原因だと思います。そこで「せめて官公庁の予算を増額して欲しいのですが、これ以上マイナスシーリングをされると応札も厳しくなります」ということです。
仮に取引先件数を維持できても、仕入れ原価が上昇しているので利益は薄くなっています。もし取引先が減るような状況下だと、当然のことですが売り上げも利益も減少します。その結果「給与が上がらないので消費を抑える」ことになっています。
地域経済を動かせるためには消費拡大が必要ですが、和歌山市の状況は、そうはなっていないように感じます。やはり地元企業の給与を上げることが必要ですから、地方自治体においては物価上昇分の予算増額が必要ですし、メーカーの価格改定に応じて納品価格も上げられる環境を整えることが必要です。
「今年6月県議会で賃上げと価格転嫁の必要性の一般質問を行っています。賃上げしなければ地域経済は回復しないので民間企業への働きかけも含めて議論を交わしています」と伝えました。
大企業の少ない和歌山県では公共投資が経済を引っ張っている分野があります。物価上昇分や資材費の高騰分を予算に加えることも必要かと思っています。
話し合いの中で「依然として懇親会の機会は減ったままですし取引先や職場内で飲食する機会はほとんどありません」。また「個人的にも余裕がないので外で飲食する機会はなくなりました」との話です。インフレ下で給与が上がらない状況のためお金を使わない環境に陥るようにも思います。「保護貿易にシフトすると、アメリカはスタグフレーションに向かうのでは」の予測記事もありますが、わが国の地方都市ではいち早くその姿が現れそうな現状を感じました。
「令和7年度予算において、個別案件の予算額を増やして欲しいと思いますが、せめて予算額は減らさないようにして欲しいと思います」との話も出てきました。それほど地元企業は価格転嫁できないことや、パートさんの最低賃金が上がったことから正社員の賃金が据え置かれているなど厳しい経営環境にあるように感じます。
公共投資に加えて大型の民間投資の必要性を感じますし、雇用確保と所得を増やすしくみを創ることが課題ですから、引き続き県議会で提言を行っていきます。「103万円の壁を解消すれば地方自治体の財政は厳しくなる」と多くの県から試算が示されています。では減少した分は国の負担増を求めるのか、大型の民間投資を呼びこむのかなどの議論も必要だと思います。もちろん国との折衝も、地域に大型の民間投資をしてくれる事業者を探すことも簡単な事ではありませんが、不満を述べるばかりで動かなければ何も始まりません。
地元企業の皆さんと懇談する機会をいただき、意見を聴かせてもらえたことで現状が分かりましたし、継続して取り組むべきことも話し合えました。定期的に懇談の場を持つことで情報を共有して対応していきたいと考えています。
- 地域振興を考える会議を行いました。自由に意見を出していただき答える形で懇談したもので、形あるものに仕上げるために「定期的に開催して欲しい」と要望を頂戴しました。
- クラブ理事会に出席し、12月の行事予定などの協議を行いました。